豆柴
鍵を開けるといつもより 散らかった部屋になってる 好きな人が出来たと コンビニのレシートの裏で振られていた 急いで出てった 君の要らないものが残った 会いたいな 会いたいな 会いたいな 君に 可愛がってた豆柴と 置き去りにされた世話道具 主人の帰りを待つ姿...
いいね!
携帯 覗き込む 猫背になって ゲームの代わりに見始めたSNS 知人のつぶやきが キラキラしてる 妬み 嫉み 愚痴 本当は羨ましくて 通勤途中 つり革を握って 現実逃避のつもりが思い知らされてる わかる、わかるよ...
夢
泣きべそかいてた 沢山ありすぎる おもちゃを選べなかった 小さい頃 僕の世界に 入り込んで来た 途端 掻き回された 何かに取り憑かれたかのように欲しがった宝物 タイミングがズレていたら 今は違った世界になっていたのかも どんなに振り払っても まとわりついている...
甘えだとしても、過ちだとしても
うまくいかないことから逃げてきて たどり着いたのが君だった 前から魅力的だなとは思ってたけど ほら 僕に相手がいることを知っていたから 君は聞き上手でいつのまにか 僕は自分のこと ほとんど話していた さりげない気遣いや僕好みの服装...
洗濯日和
休日の午前9時 いつもと反対の電車を乗り継いで 目的地は広い公園 洗濯日和だ 空とカメラ持つ君 僕はあくび越しに 交互に眺める さえずる水辺の鳥や背伸びする花たち 君は夢中でファインダーを覗いてる 芝生の上に寝転ぶ 懐かしい匂いがする...
タコの顔
ちょっと 酔っぱらったって言う 君の頬はもうチークじゃないな あんまり お酒が強くない君に 日本酒勧めた 僕を許して いつもは恥ずかしがって 酔った時にだけ 甘えてくる 肩に寄りかかってくる君を 僕が欲してしまったから 少し火照った その頬を 両手で押さえて タコの顔...
ごめんね、好きだよ
彼から一方的に 振られてしまったから やけ酒しようって誘ったくせに 少しも手をつけない つらそうな君の顔 見て 胸が張り裂けしまいそうだ ごめんね、好きだよ 僕の気持ち気づいてなかったろう? 心の隙間に入ってしまいたいって 何度思ったろう...
ブルームーン
海岸沿いの道路 ヤシの木が踊る 真っ赤なオープンカー 助手席の君 気分はハリウッドスター アンジェリーナ・ジョリー真似て 左手でサングラスはずす 風うける 髪かき上げる君の胸元がチラついて 釘付け アクセル全開でうなり上げるエンジン 夜まで待てない ロケーション...